「中小企業のDX推進に関する調査」

 2023年10月発表の中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査」のサマリーです。

DXの理解度DXについて「理解している」「ある程度理解している」と回答した企業は49.1とほぼ半数
DXに期待する成果・効果DXに期待する効果については、業務効率化が64、コスト削減が50.5、データに基づく意思決定が31となっており、ビジネスモデル変革24.4%などのDX化への期待度はまだ低い
DXの取組状況「既にDXに取り組んでいる」が14.6%、「取組みを検討中」が16.6%と合計31.2%である一方、
「取り組めていない」「取り組む予定がない」が8.8におよぶ
DXの具体的な取組内容DXの取組内容としては、ペーパーレス化が64.4と最も多く、次いでホームページ作成47.1%
営業活動・会議のオンライン化が47.1%
DXの取組成果DXの「成果が出ている」「ある程度成果が出ている」と回答した企業は76.7

回答企業数100社のうち約60%は従業員20人以下の小規模企業です。

ポイントは下記2点になります。

・中小企業では、「DXについて理解している」企業ですら50%にとどまり、大企業と比べてもDXについての認知度・普及度は低い。

・一方で、DXに取り組んでいる企業の8割近くは何かしらの成果が出ており、一度取り組みを開始すれば、既存業務を高確率で改善できる。

よって、取組みさえ進められれば、生産性向上・競争力向上につながることが期待されます。

 では、取り組みが進まない要因はなんでしょうか。主な課題は下記になります。

DXに取り組むにあたっての課題
①DX・ITを推進できる人材が足りない
②DXの取組みに必要な予算の確保が難しい
③DXに取り組もうとする企業文化・風土がない(アナログ文化の常態化)
④既存システムのブラックボックス化していて見直せない
経営者の意識・理解が足りない

こうした状況から、DX推進に求められることは、

経営者のビジネス変革に対する思いや戦略、推進するリーダーシップが必要

実行するDX人材が必要

公的機関のDX推進支援(補助金・助成金、専門家の経営相談など)の活用

・中小企業のためのDX推進指針(DX推進指標の策定など取組み中)などの活用

といった社内外の取組みになります。経済産業省を中心に、さまざまな支援施策も打ち出していますので、それらをうまく活用したDX推進を目指しましょう。次に、推進ステップについて、見ていきたいと思います。