課題ツリーに続いて、経営&工場改善マンダラチャートをご紹介します。これは、ドジャースの大谷翔平選手が高校時代に作ったマンダラチャートが有名ですが、私が所属する東京都中小企業診断士協会中央支部の”ものづくりプロコン養成講座”で20年以上実践している”TKKメソッド”というものがあります。マンダラチャート(Mandala Chart)は、目標設定やアイデアの整理に使われるツールで、特に大きな目標や複雑なテーマを細かく分解し、視覚的に整理するのに役立ちます。マンダラ(曼荼羅)という言葉は、仏教の教義や瞑想に使用されるシンボルに由来し、中心から周囲に広がる構造を持つことから、多面的に物事を捉える手法として採用されています。
マンダラチャートの基本構造
マンダラチャートは、3×3のマス目で構成され、合計9つの枠が並んでいます。以下の手順で構成します:
- 中心のマスにメインのテーマや目標を設定
チャートの中心には、取り組むテーマや達成したい目標を記載します。これが全体の軸となります。 - 中心の周りの8つのマスにサブテーマや要素を記入
中心の目標を達成するために必要な要素や具体的な行動など、テーマをサポートする内容を8つのマスに記入します。 - さらに各サブテーマを中心とする別のマンダラチャートを作成
より細かい目標設定や具体的な行動計画を立てるために、各サブテーマを中心とした別の3×3マスを作成し、それぞれを深掘りします。
活用方法とメリット
- 全体像を把握しやすい:目標達成に必要な要素を視覚的に把握でき、全体の流れや関係性がわかりやすくなります。
- 目標を細分化できる:大きな目標を具体的なステップに分解でき、達成に向けたアクションが明確になります。
- アイデア発想にも利用できる:目標だけでなく、課題解決や新しいアイデア発想のフレームワークとしても役立ちます。
マンダラチャートはシンプルながら効果的な目標設定ツールであり、目標達成のために必要な行動を明確にし、実行に移しやすくしてくれます。ものづくりプロコン養成講座では、経営や工場の改善項目を、真ん中に大テーマを置き、その周りに下記のような8つの改善テーマを設定して、改善項目の見える化と優先順位づけを行って運用しています。
❶根っこ改善(5Sや三現主義など)
❷作業改善(小集団活動や作業者責任の明確化など)
❸職場間協調(情報の共有化など)
❹好調保全(自主保全、品質保全、工具保全など)
❺品質保証(ポカよけと自働化、トレーサビリティの確保など)
❻納期短縮(工程管理、多能工化など)
❼在庫圧縮(工程間滞留在庫の排除、工場内物流の改善など)
❽コスト半減(工程数の削減、VA/VE活動の推進など)

経営・工場改善マンダラチャート(サンプル)
経営改善のご支援では、このような改善項目の整理と見える化を行っています。是非、ご参考にしてください。